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令和 5年予算特別委員会−03月03日-03号

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  1. 滋賀県議会 2023-03-03
    令和 5年予算特別委員会−03月03日-03号


    取得元: 滋賀県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-15
    令和 5年予算特別委員会−03月03日-03号令和 5年予算特別委員会              予算特別委員会 会議要録                                開会 10時00分 1 開催日時      令和5年3月3日(金)                                閉会 12時26分 2 開催場所      議場 3 出席した委員    細江委員長、大橋副委員長、             菅沼委員、桐田委員、井狩委員、本田委員、柴田委員、             重田委員、清水(ひ)委員、河井委員、佐口委員、             小川委員、黄野瀬委員、松本委員、杉本委員、田中委員、             角田委員、塚本委員、山本委員、駒井委員、中村委員、             白井委員、村上委員、桑野委員、周防委員、海東委員、             加藤委員、目片委員、有村委員、富田委員、川島委員、             奥村委員、木沢委員、大野委員、冨波委員、江畑委員、             成田委員、九里委員、今江委員、中沢委員、節木委員
    4 出席した説明員   三日月知事、江島副知事、大杉副知事、中嶋知事公室長、             東総合企画部長河瀬総務部長谷口文化スポーツ部長、             高木琵琶湖環境部長市川健康医療福祉部長、             浅見商工観光労働部長宇野農政水産部長、             福永教育長および関係職員 5 事務局職員     小林議会事務局次長吉田議事課長内田議事課課長補佐 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり 7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事の経過概要   別紙のとおり                  議事の経過概要 開会宣告  10時00分 1 議第1号から議第16号まで(令和5年度滋賀県一般会計予算ほか15件) ○細江正人 委員長  ただいまから予算特別委員会を開会いたします。  本日の日程は、お手元に配付いたしております次第のとおりであります。  本委員会に付託されました議第1号から議第16号までの16議案を一括議題といたします。  昨日に引き続き、全体質疑を行います。  発言通告書が提出されておりますので、順次発言を許します。  まず、中沢啓子委員、待機席へお願いします。  それでは、中沢啓子委員の発言を許します。 ◆中沢啓子 委員  それでは、通告に従いまして、3項目の質疑をさせていただきたいと思います。  まずは、来年度予算に彦根城世界遺産登録推進事業1,650万円が見込まれています。  以下、知事にお伺いしたいと思います。  江戸時代、彦根藩の武士たちはその城郭に集まり、領地の安定のため、大名とともに政治に取り組み、また文化活動や武芸に励んだと言われています。彦根藩は、12回の大老職のうち6回大老の役目を果たしています。江戸時代には、藩の統治拠点のある城郭が全国で約150築かれましたが、明治となり、そのほとんどが取り壊しをされましたが、彦根城は住民の願いもあり、行幸された天皇の判断により保存されることとなりました。  彦根城は一度も戦っていない城郭であり、彦根城を見れば江戸時代が分かると言われ、戦わない城の意義を今こそ世界に発信するときだと考えます。  彦根城は、令和6年の世界遺産登録を目指して取り組んでこられましたが、現在の進捗状況をまずお伺いいたします。 ◎三日月 知事  令和4年度は、ロシアで開催される予定でございましたユネスコ世界遺産委員会が中止となりまして、また国内からは改めて佐渡島の金山が推薦されることになりましたため、今年度目標としておりました国内推薦の決定には至りませんでした。しかしながら、彦根城の価値が否定されたものではございません。専門家による学術会議や国際会議におきましても、戦わない城として世界的な価値があるものと一定の評価を得るに至っております。  一方、世界遺産登録を実現するためには、国内外での価値の共有をさらに進めることが課題となっておりまして、そのためにも引き続き情報発信を強化することや、県内の一層の気運醸成を図ることが必要だと認識しているところでございます。 ◆中沢啓子 委員  彦根城は、世界遺産登録されれば国の宝が世界の宝となります。滋賀は歴史の宝庫であり、1,000を超える城郭があり、近江の奥深い歴史を感じることができます。日本はもとより、今おっしゃったように、世界の方々に彦根城の世界遺産登録をきっかけに、日本の平和な江戸時代を、奥深い滋賀の歴史に興味を持ち、当時のままの姿である歴史遺産に触れていただける機会になると感じています。そのためにも、ぜひとも彦根城の世界遺産登録の実現を願うものですけれども、この事業でどのように彦根城世界遺産登録を進めようとされているのか、今後の取組を知事にお伺いいたします。 ◎三日月 知事  まずは、世界から認めていただける推薦書を作成することが第一です。そのためにも、彦根城の価値をより分かりやすく説明できるように磨き上げを進めていきたいと考えております。また、評価を確実なものとするために、専門家に向けた研究紀要を発行いたしまして、研究シンポジウムを開催いたします。加えまして、登録実現のためには、県民の方々の一層の応援が不可欠なため、世界遺産でつながるまちづくりコンソーシアムなどとの協働を強化いたしまして、その価値を広く県内に伝えるための冊子の作成や講座の開催などに取り組みます。  彦根城は、平和の時代を支えた城であることに価値があり、今こそ世界に発信すべきであると考えます。一日も早く彦根城の世界遺産登録を実現できるよう、努力を傾注してまいりたいと存じます。 ◆中沢啓子 委員  ぜひ細江県議も江畑県議も皆さん一緒になって盛り上げていきたいと思いますし、これからも皆さんとともに、この彦根城が世界遺産になるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、次にマイスター・ハイスクール事業についてお伺いいたします。  令和5年度の予算にマイスター・ハイスクール事業588万5,000円が計上されています。  以下、教育長にお伺いいたします。  断みつくんなどに取り組んでこられた彦根工業高校は、令和3年度にマイスター・ハイスクールに選ばれました。彦根工業高校では、進取の気性を生かし、持続可能な新たな地場産業を共創できる技術人材の育成を目指し、彦根市や彦根商工会議所をはじめとする地域の産業界、近隣の大学と一緒に人間力、基礎的知識、スキル、変化をチャンスに転換する力、郷土愛にあふれた地域を活性化させる力を身に着けた人材を育てるシステムの構築に取り組んでこられました。  まず、今までの成果を教育長にお伺いいたします。 ◎福永 教育長  令和4年度までの主な取組といたしまして、企業における実習では、従来3日間であったインターンシップを最大10日間で実施することや、企業において年間を通して継続した実習を行うデュアルシステムの試行を行ったところでございます。また、彦根商工会議所と連携をいたしまして、バーチャルカンパニーによる起業体験や社会課題の解決、提案、またカーボンニュートラルの学びを通したバイオプラスチックによるものづくりなどを実施したところでございます。これらの取組によりまして、彦根工業高校の生徒はこれまで以上にものづくりへの興味を高めること、また仕事のやりがいを探すきっかけをつくれたものと考えているところでございます。 ◆中沢啓子 委員  様々な取組で仕事が本当に身近に感じられたりとか、そこに興味を持つ、そしてまた理解が進むということは、生徒さんたちの今後の社会に出てからのことで非常に違うんじゃないかなということを感じましたし、またバーチャルカンパニーでありますとか、カーボンニュートラルのことであるとか、本当にこれから社会に出てから役立つ、また社会の面白みみたいなのを感じられる、そんな取組をしていただいていることに非常に感謝したいと思います。  その中で、やりがいを感じて生徒たちが進めるというのは非常に良いことだと思うんですが、3年目を迎える令和5年度は、この予算でどのような効果をさらに出そうとされているのか、お伺いをいたします。 ◎福永 教育長  令和5年度は、これまでの取組や築いてきた地域、企業、大学との関係を生かして、デュアルシステムでは実習を通じて生徒自らが企業の課題の解決に取り組むことや、大学ゼミでの研究活動などを計画しているところでございます。これらの取組を通しまして、ものづくり人材としての知識や技術の習得はもちろんのこと、多くの人や社会との関わりの中で、自己効力感ややり抜く力などの非認知能力の向上を目指していきたいと考えております。  さらに、研究成果の公開、普及活動によりまして、彦根工業高校マイスター・ハイスクール事業の発信に努めまして、多くの企業や大学から協力が得られるように取り組んでまいる所存でございます。 ◆中沢啓子 委員  ちょうど3年目に当たりますので、1年からずっと取り組んできた生徒さんたちにとっては来年度が最終年、本当に締めくくりの年になるのだと思います。そのときに、企業さんの課題を解決できたりとか、本当にやり抜く力、非認知能力がつくというのは何よりのことだと思いますが、国のマイスター・ハイスクールの支援は3年間、その後は自走化ということで最初始まったかと思います。しっかりと成果も出ているということであれば、今後、同様の取組を進めていくことが大切なことだと思っています。  国の予算がなくなっても必要な予算は当然ありますし、高校の魅力化の計画にしても議論してまいりましたけれども、そのための予算と人材というのは非常に大切だと思っています。子供たちのためにしっかりと手当てをしていただきたいと思っていますが、先ほども言いましたが、マイスター・ハイスクールは来年度が3年目となりますので、その後も持続可能なシステムとなるように取り組む必要があると考えますが、今後にどのようにつなげようとしておられるのか、教育長にお伺いをいたします。 ◎福永 教育長  事業最終年であります令和5年度には、様々な取組を行ってまいりましたが、それぞれの取組による学びが非認知能力の育成にどう関わったかをデータ化いたしまして、大学と連携した分析により、それぞれの取組の評価をしたいと考えているところでございます。  先月、実施をいたしましたマイスター・ハイスクール運営委員会では、委員の皆様から取組について様々な御助言も頂いておりまして、今後、取組の評価、精査を実施し、効果的な取組を継続していくことについて検討をしていきたいと考えております。 ◆中沢啓子 委員  しっかりと大学と連携をして、データを分析していただいて、評価、成果を見える化をしていただくということは、やってきた先生方にとっても、また生徒さんたちにとっても非常にいいことだと思いますし、これから彦根工業高校を目指してそういうことをやってみたいと思う生徒さんが増えるということにもつながると思います。生徒さんたちが本当に高校で何を学べるのか、どういう能力をしっかり身につけられるのかというのが目に見えて分かる実績というのは非常に良いと思いますので、より進化するように、予算が厳しくてということで縮小とかにならないように、国としてはモデルとなったものを全国に横展開をしていくという形に多分、今後なっていくと思いますので、その最初の取組をした彦根工業高校、これからもよろしくお願いしたいと思っています。  次に、共生社会の理念の浸透に向けた啓発事業についてお伺いをいたします。  来年度の予算に、共生社会の理念の浸透に向けた啓発事業160万円が見込まれています。  以下、市川健康医療福祉部長にお伺いをいたします。  滋賀県では、令和元年から滋賀県障害者差別のない共生社会づくり条例が施行されました。残念ながら、知的や発達障害に対して障害者理解は外見上、分かりにくいことからなかなか進んでいないように感じています。  滋賀県は、「この子らを世の光に」の言葉に象徴されるように、糸賀一雄さんの共生社会の理念の発祥の地でもあります。糸賀一雄さんからつながってきている共生社会の理念をどのように捉えておられますでしょうか。まず、市川健康医療福祉部長にお伺いいたしたいと思います。 ◎市川 健康医療福祉部長  糸賀一雄先生ら滋賀の福祉の先人は、近江学園など、福祉の実践の中で障害者の放つ命の輝きに社会を変革していく力があることを見出されまして、「この子らを世の光に」の言葉に代表される福祉の思想を残されました。  この思想は、時を経て滋賀の各地に広がり、さらなる福祉の実践を生み出しており、こうした思想と実践こそ滋賀の共生社会づくりの理念と考えております。  一方で、滋賀ではかつて深刻な障害者虐待事案が発生いたしまして、その教訓を踏まえまして、障害者の権利、利益の擁護に取り組んできたところでございますが、改めて障害を理由とする差別の解消を誓い、障害者差別のない共生社会づくり条例を制定したところでございます。共生社会の実現に向けて、着実に取組を進めていかなければならないと考えているところでございます。 ◆中沢啓子 委員  まさに理念だけではなく、その理念と実践、それが両輪になって進めてこられた、滋賀県で受け継がれてきました糸賀思想、共生社会の理念の浸透を図ることは、ぎすぎすした時代にとても大切なことだと感じています。  令和5年度の共生社会の理念の浸透に向けた啓発事業160万円の予算の内容をお伺いしたいと思います。 ◎市川 健康医療福祉部長  本事業は、平成28年に起こりました津久井やまゆり園事件を機に高まった共生社会づくり推進の機運を福祉関係者に対してだけでなく、一般企業の人にも研修等を通じて広げていこうとする普及啓発事業でございます。また、併せまして外見上、分かりにくい知的・発達障害のある人の困りごとについて、啓発キャラバン隊疑似体験研修を行うことで障害理解を深めてもらい、共生社会の理念の浸透を図っていくものでございます。 ◆中沢啓子 委員  全国的な傾向ですけれども、滋賀県においても精神障害や知的障害の手帳をお持ちの方は年々増加しています。精神障害者保健福祉手帳所持者数はこの10年で6,656人から1万2,278人と84%の増加、療育手帳所持者数は1万1,077人から1万5,814人で43%も増加をしています。  市川部長は、健康医療福祉部門の要として、現場の方々ともつながって、特に障害福祉分野では一貫して糸賀思想をベースに共に働き、共に暮らす、そんな社会を実現すべく取り組んでこられたと感じています。  先ほどもおっしゃっていましたけれども、やっぱり一般の企業の方々にも、福祉分野の方々だけではなくて、本当に社会全体が共に働き、共に暮らす社会ということになって、そうなると誰もが暮らしやすい社会になるのだと思います。糸賀思想をベースに、どのような滋賀の共生社会を目指そうとされているのか、市川健康医療福祉部長にお伺いをいたします。 ◎市川 健康医療福祉部長  滋賀の共生社会は、障害者や社会的に弱い立場に置かれた人に寄り添い、障害の有無によって分け隔てることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共に生きる社会であり、県民の皆様とともにつくり上げていくものと考えているところでございます。このため、来年度は、先ほど申し上げました事業に加えまして、情報コミュニケーション支援事業の拡充や医療的ケア児重症心身障害者へのサービス提供体制の充実、重度障害者の地域移行の促進など、新しい視点での施策を一歩ずつ着実に推進してまいりたいと存じます。  糸賀先生をはじめとする先人たちの思いを学び、道しるべとしながら、福祉の実践者の力を借りつつ、引き続き施策を推進し、共生社会の理念の浸透を図ることで、全ての人に居場所と出番がある共生社会の実現を目指していきたいと存じます。 ◆中沢啓子 委員  滋賀でこそしっかり実現されるビジョンだと私は思っています。全ての人に居場所と出番のある共生社会、共につくってまいりたいと思いますし、これからもまた御尽力いただくことを心から念じまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。 ○細江正人 委員長  以上で、中沢啓子委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、富田博明委員、待機席へお願いします。  それでは、富田博明委員の発言を許します。 ◆富田博明 委員  令和5年度当初予算について、通告に従いまして、質疑を行わせていただきます。  部局別予算の概要77ページ、琵琶湖森林づくり基本計画に基づき、森林づくり県民税を充当し、環境を重視した森林づくりと県民協働による森林づくりを実施するとしている琵琶湖森林づくり事業費15億4,130万9,000円のうち、78ページ、未来へつなぐ木の良さ体感事業1億6,595万5,000円のうち県産材(びわ湖材)の利用促進1億4,683万4,000円について、同じく78ページ、協働の森づくりの啓発事業1,905万6,000円の関連事業についてお尋ねをいたします。  御承知のとおり、森林は多くの機能を持っており、国土の保全に始まり、水源の涵養や地球温暖化の防止、生物多様性の保全や木材の供給など、我々の生活に様々な恩恵をもたらしています。その多面的機能は、国の調べでは、貨幣評価できるものだけでも年間70兆円におよぶ恩恵をもたらすとしています。  県土の約半分を森林面積で占める我が滋賀県も、同じく森林の恵みを受けています。特に琵琶湖は、近畿地方の人口の7割の1,450万人の人々が琵琶湖の水に依存し、恩恵を受けています。また、琵琶湖の魚介類は滋賀県民だけでなく、広く皆様に食されています。
     このように、森林の持つ力は計り知れないものがあります。しかし、農山村地域では過疎化や高齢化など、また山林の境界の不明確やシカなどの食害等に伴う土砂の流出による被害など多くの問題が顕在化しています。  このようなことから、滋賀県では平成17年度から琵琶湖森林づくり基本計画第1期に基づき、環境に配慮した森林づくりの推進、県民の協働による森林づくりの推進、森林資源の循環利用の促進、次代の森林を支える人づくりの推進をテーマに森林施策に取り組んでこられました。16年間におよぶ政策の成果や課題も数多く評価をされています。また、令和2年度には琵琶湖森林づくり条例の改正と琵琶湖森林づくり基本計画第2期の策定、令和4年度には建築物における滋賀県産木材の利用方針を変更するなど、県産木材の利用拡大に向けた取組が進められてきました。県内13市6町においても、平成28年度には全ての市町で公共建築物における地域産木材の利用方針が策定され、取組が進められています。  滋賀県の森林は、天然林が6割、人工林が4割で、その人工林のスギ、ヒノキは木材として利用できる適齢期に来ていると仄聞をしています。そこで、未来へつなぐ木の良さ体感事業についてお尋ねします。  県産材に対する県民や事業者、建築士などの理解促進と利用拡大を図るため、住宅および公共施設を含む非住宅の木造化、木質化を支援するとありますけれども、現状で木造化率の低い民間の非住宅についてはどのようにして進めていかれるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎高木 琵琶湖環境部長  民間の非住宅、住宅以外の民間建築物の木造化、木質化につきましては、令和3年度から木造建築セミナーを開催いたしまして、建築士等の育成に取り組んでいるところでございます。  このセミナーを修了されました川中の流通事業者と川下の建築士とが連携いたしまして、来年度、県産材を利用した木造化促進の団体設立を目指されております。今後、このような団体とも協働いたしまして、建築を考えている事業者に対して、相談窓口や各種補助制度を周知いたしますとともに、県民の目に触れ、木の良さを体感してもらう施設を発信するなど、積極的な木造化のプロモーションを行うことによりまして、住宅以外の民間建築物の木造化等を促進してまいりたいと考えております。 ◆富田博明 委員  ありがとうございます。  川中、川下から協働して進めていこうというその姿勢、これはしっかりと今後とも進めていただきたいと思っております。  次に、協働の森づくり啓発事業についてお尋ねをいたします。  知事は、以前から人の健康、社会の健康、自然の健康を標榜されておりまして、特に自然の健康では、令和元年度からやまの健康推進プロジェクトを展開されてきました。地域住民自らが豊富な森林資源やその景観を地域資源として生かし、農地や森林を維持、保全し、地域経済の活性化を目指すとして大津市、米原市、栗東市、甲賀市、高島市ではやまの健康モデル地域に選定されています。また、協働の森づくりを実践する約90団体が全市町で活動をしていただいています。さらに、先日も甲賀市で行われました滋賀県と滋賀県木材協会共催びわこ木育クラブの協力の下に、木育ワンダーパークが開催されてきました。大変な盛況ぶりでございました。このように、子供から大人まで全ての世代が森林づくりに関わることが重要と考えています。  昨年の全国植樹祭では、主会場やサテライト会場などを合わせて県内外から約1万3,000人の方々の御参加をいただき、滋賀らしい大会が盛況に終わったと喜んでいるところでございますが、とりわけ緑の少年団に大きな活躍をしていただきました。  そこで、県下における緑の少年団の活動状況を含め、全国植樹祭開催を契機として、今後どのように展開を考えておられるのか、琵琶湖環境部長にお伺いをいたします。 ◎高木 琵琶湖環境部長  答弁を廣瀬琵琶湖環境部技監に委任いたします。 ◎廣瀬 琵琶湖環境部技監  平成19年度以降、森林環境学習「やまのこ」によって、全小学校4年生が滋賀の森林について学ぶ取組が定着しました。一方で、緑の少年団については、団員数の減少や指導者不足等により活動休止となる団が出るなど活動が低迷しておりました。  こうした中、全国植樹祭を契機に、主会場となった甲賀市を中心に多くの少年団が新たに結成され、県全体で令和元年度の44団2,782人が現在は64団5,850人となり、団数、団員数とも大幅に増加し、森づくりの機運が醸成されました。  今後は、この盛り上がりを継続させるため、滋賀県緑化推進会と連携し、やまのこの発展学習として新たに専任指導員等による体験機会をつくるほか、企業による植樹イベント等に積極的な参加を促すなど、活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。 ◆富田博明 委員  ありがとうございます。  小さい頃からやはり森林に親しむということでございますので、今後もやまのこに対するいろいろな援助も含めて、しっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思っております。  それでは、最後の質問になりますけれども、滋賀県の企業の森づくりとして、琵琶湖森林づくりパートナー協定が進んでいるとお聞きしています。企業等による森林づくりの取組を支援するとしていますが、これまでの取組の課題を含め、今後の推進に向けた方向性はいかがなものか、琵琶湖環境部長にお伺いいたします。 ◎高木 琵琶湖環境部長  答弁を廣瀬琵琶湖環境部技監に委任いたします。 ◎廣瀬 琵琶湖環境部技監  平成16年度に企業による森林づくりの取組を開始して以降、森林ボランティア活動を主体とする企業の社会貢献活動が一定の広がりを見せましたが、活動のマンネリ化等から協定期間の終期をもって活動を終了する事例もあります。その一方で、近年、SDGs、脱炭素、社員と顧客の健康など持続可能な経営を目指す企業が増加しており、琵琶湖を取り巻く森林に大きな関心が寄せられております。そのため、来年度は多様化する企業ニーズと山側のシーズを見える化することでマッチングを進めたいと考えています。  このような取組を通じて、企業の価値を向上させるとともに、農山村の活性化など、やまの健康のバージョンアップを図り、より多くの企業が滋賀の森林に関わることを目指してまいります。 ◆富田博明 委員  ありがとうございます。  企業はもとより、やはり県民に広くこの森林事業を分かっていただくということで、啓発についてはいろいろな方法があると考えております。スピード感を持って取り組んでいただきたいなというふうに思っております。  今回の質疑につきましては、委任されました廣瀬技監におかれまして、38年間にわたり琵琶湖のヨシ対策から森林づくり対策まで、滋賀の林業一筋に御尽力をされ、退職をされます。  森林づくりは、間伐から主伐、再造林にシフトチェンジしなければならないと言われる廣瀬技監に感謝と敬意を申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○細江正人 委員長  以上で、富田博明委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、清水ひとみ委員、待機席へお願いします。  それでは、清水ひとみ委員の発言を許します。 ◆清水ひとみ 委員  あらかじめ通告してあります2項目について質疑を行います。  1項目めは、県民防災力アップ事業についてです。  今年も間もなく3.11東日本大震災の日を迎えます。あれから12年、まだまだ復興道半ば、被災された方へ思いを寄せながら、本件としても防災、減災対策は今後も粛々と進めていただきたいと考えます。  防災、減災の取組は、自助、共助、公助と言われるように、まず自分の身を自分で守る、このことがいざというときにできるように、本県としても個々の防災力アップの取組を継続しています。一人一人に合った避難の準備から避難完了までの防災行動計画がマイ・タイムラインですが、災害時の行動を事前に確認し、災害を我が事として捉え、災害時の冷静な避難行動につなげていくことが大切です。  そこで、部局別予算の概要の7ページにあります防災行政推進費のうち県民防災力アップ事業261万3,000円について、以下全て知事公室長に伺います。  まず、本県において、マイ・タイムラインの作成支援にどのように取り組んでこられたのか、お伺いします。 ◎中嶋 知事公室長  答弁を藤田防災危機管理監へ委任いたします。 ◎藤田 防災危機管理監  昨年度に子供から大人まで誰もが容易にマイ・タイムラインを作成できる作成キットを制作するとともに、そのデータを県ホームページにも掲載し、どなたにも利用できるようにしているところでございます。  また、昨年度から今年度にかけまして日本防災士会滋賀県支部の協力の下、マイ・タイムラインの普及啓発を行うとともに、出前講座を28の小中学校、26の自主防災組織等で合わせて69回開催し、約3,000人に実際にマイ・タイムライン作成に取り組んでいただいたところでございます。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  それでは、来年度予算では、しがマイ・タイムラインを使ってどのような取組をされるのか、お伺いします。 ◎中嶋 知事公室長  藤田防災危機管理監へ答弁を委任いたします。 ◎藤田 防災危機管理監  来年度もマイ・タイムライン作成講座を50回程度開催するとともに、土木部局や国などの関係機関が実施する出前講座やイベントなどとも連携し、より効果的なマイ・タイムラインの活用促進を図ってまいります。また、学校における防災教育の一環としてマイ・タイムラインを取り入れていただくよう、市町教育委員会などへ呼びかけてまいります。  引き続き、県民一人一人が自身の災害リスクを認識し、適切な避難行動を取ることができるよう、国や市町等と連携し、幅広く普及啓発を行ってまいります。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  マイ・タイムライン、関係機関とも連携をしてくださるということですけれども、この計画策定が個別避難計画の策定にもつながっていくようによろしくお願いしたいと思います。  昨年、宮城県立多賀城高校の災害科学科を視察後、一般質問で防災教育の充実を訴えました。本県においては、令和2年度から県民防災力アップ事業においても防災教育の取組をされてきて、3年が経過しました。県民防災力アップ事業の防災教育において、教育委員会との連携は来年度はどのようにされていくのか、お伺いします。 ◎中嶋 知事公室長  今年度、教育委員会が学校防災の手引きを改訂されるのに当たりまして、防災危機管理局も企画、編集に積極的に関わりまして、防災情報マップなどの資料を新たに盛り込んでいただくこととしております。その上で、来年度には各学校におられる防災教育コーディネーターを対象に、新たに学校防災の手引きを用いた研修会を共同で開催し、分かりやすく効果的な授業を行う方法でありますとか、活用できる教材について理解促進を図るなど、教育委員会との連携をより一層強化し、防災教育の充実に努めてまいります。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  学校の先生方の非常にいろいろなことをやらなくてはいけないという負担感もありますので、これからもより一層の連携をお願いしたいと思います。  さて、滋賀県危機管理センターの1階には、見学者に向けて防災グッズも様々展示されています。先日もたくさんの見学者がいらっしゃいましたが、私は先日、テレビのニュースでたまたま、県内で作成された平常時は看板として立てかけてあって、それが傷病者が出たときなどには担架として使える、看板と担架を併せたタンカん板という商品を開発されたということが紹介されていて、いろいろ工夫をされているのだなということを実感いたしました。  こういった新しい資器材を含む防災グッズの普及啓発はどのように取り組まれていくのか、お伺いします。 ◎中嶋 知事公室長  答弁を藤田防災危機管理監へ委任いたします。 ◎藤田 防災危機管理監  新しい資機材などを含む防災グッズにつきましては、危機管理センター1階での常設展示や総合防災訓練の展示ブースなどで普及啓発を行っているところでございます。  御質問にもございましたタンカん板につきましては、3月9日に寄贈を受けることとなっており、県庁新館の玄関に設置する予定でございます。  このほかに、実際に防災グッズを使用する様子を撮影した動画をフェイスブックグループしが防災ベースに公開したりなどしているところでございます。  今後は、さらにほかのSNSの活用を含めまして、防災グッズをはじめ、生活防災の普及に努めてまいりたいと考えております。 ◆清水ひとみ 委員  これからの防災、減災対策の取組を考えるとき、若い人の力は本当に大切です。  2月28日の第76回防災カフェのテーマは、大学生が考える防災でした。76回と回数を重ねて継続されてきた防災カフェは、毎回、大変勉強になります。コロナ禍で会場開催が難しくなり、オンラインと併用されたことによって、今まで仕事の帰りなどに会場まで行くのは大変だった方や会場まで遠い方なども参加できるようになりました。  第76回の防災カフェでは、彦根市の聖泉大学の学生地域連携交流委員会が2017年度から防災サポーターとして地域の防災力向上や防災啓発活動に取り組んでこられたことが紹介されていました。非常に頼もしい限りです。  私は、近い将来にぜひとも滋賀県学生防災士会を結成して、先輩から後輩へと防災の取組をつなげ、滋賀県の学生さんが地域で命を守るための防災活動に取り組んでほしいと願っています。  学生防災士等の交流促進について、来年度、どのように取り組まれるのか、お伺いします。 ◎中嶋 知事公室長  まず、フェイスブックグループしが防災ベースにおきまして、防災に関する学生や若者の取組について積極的に発信いたしますとともに、より多くの学生や若者にも参加していただき、防災意識の向上や交流促進につなげてまいりたいと考えております。  また、来年度は学生や若者防災士を対象としました防災ワークショップを開催いたしまして、防災アイデアを考える機会や、学生や若者が直接話し合い、お互いにつながる機会を設けてまいります。  県内には、御紹介にありました聖泉大学のほか、びわこ成蹊スポーツ大学、龍谷大学等、各大学での取組が広がってきております。今、申し上げましたような取組によりまして、例えば議員から御提案を頂きました滋賀県学生防災士会のような県内でのより幅広い活動につながりますよう、学生や若者同士の学校の垣根を越えた交流を応援してまいりたいと考えております。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございました。  この事業に関しては、令和2年度の予算は100万円ほどだったんですけれども、その後、令和3年、令和4年、令和5年と280万円、230万円、260万円と一定の予算を確保していただいてますので、しっかり今日お聞きしたことを頑張ってやっていただきたいと思います。  それでは、次の質疑に移ります。  2項目めは、部局別予算の概要の92ページにあります福祉のまちづくり推進費のうちユニバーサルデザイン推進事業240万円について、以下、全て健康医療福祉部長にお伺いします。  私は令和2年9月定例会の一般質問で、淡海ユニバーサルデザイン行動指針の改定について提案しました。コロナ禍で会議の中断などもあったとのことですが、本県では、国スポ・障スポ大会も控え、時代に合ったものにしていただかなくてはなりません。  淡海ユニバーサルデザイン行動指針の改定に向けて、進捗状況をお伺いします。 ◎市川 健康医療福祉部長  県社会福祉審議会ユニバーサルデザイン推進検討専門分科会での有識者や当事者からの御意見を基に、現在、骨子案を作成したところでございます。今後、県議会や分科会等で御意見を伺いながら素案を作成いたしまして、県民政策コメントを実施の上、10月を目途に改定を進めてまいりたいと存じます。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  それでは、令和5年度に予定されている研修について、その内容をお伺いします。 ◎市川 健康医療福祉部長  国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の開催を好機として捉えまして、ユニバーサルデザインの推進を図るため、県民向けの研修を予定しているところでございます。
     具体的には、県南部、北部の2か所におきまして、当事者、市町、それから事業者の方にも参画いただきながら、皆さんが自分事として考えていただき、実践につなげることができますように、今回改定を予定しております行動指針の説明や好事例の取組発表、グループワーク等の実施を考えているところでございます。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  10月に出来上がるということですので、研修もその後になろうかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。  また、部局別予算の概要の説明欄に、県民の理解促進、取組推進を図るとありますが、具体的にどのようなことをされているのか、お伺いします。 ◎市川 健康医療福祉部長  ユニバーサルデザインの理解促進につきましては、先ほど申し上げました県民向け研修会のほか、県広報やホームページ、ラジオ、SNS等、様々な広報媒体を活用して、幅広い層に向け、効果的な情報発信を行うことを考えているところでございます。  また、福祉、建築、公共交通機関関係団体等120団体で構成いたします、だれもが住みたくなる福祉滋賀のまちづくり推進会議や市町担当者会議等におきまして情報共有を図り、さらなる連携を強化することで、ユニバーサルデザインにつきまして県民一人一人が理解を深め、その考えに基づく取組を実践していただけるように進めてまいりたいと存じます。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  福祉滋賀のまちづくりの団体と一緒にやってくださるということですが、また学校や保育、そういったところとも連携をよろしくお願いをしておきたいと思います。  ユニバーサルデザイン推進の基本方針において、誰もが暮らしやすいまちづくりを掲げ、その中の一つの取組に滋賀県車いす使用者等用駐車場利用証制度があります。これは、障害者や高齢者など移動に配慮が必要な人が使いやすい駐車場になるよう、車いすマーク等の駐車区画を利用する利用証を交付する制度です。  優先駐車区画には車いす優先区画と思いやり区画があります。車いす優先区画の利用対象者は、車いすを常時利用されている方とされています。思いやり区画の利用対象者は、障害者、要介護高齢者、妊産婦など、歩行が困難で移動に配慮が必要な方とされています。  この中で、利用期間について、妊産婦さんについては、母子手帳取得時から産後1年とされています。この1年という期間について、双子さんの場合、ベビーカーが大きく、一般の駐車場のスペースでは乗り降りが大変で、その期間を延長してほしいとの声を聞いております。こういった優先区画への利用証の取組は他県においてもされていますが、岐阜県では利用期間が、多胎児の場合は産後1年6か月までです。三重県においては、本年4月から産後1年6か月までから2年までと延長され、多胎児の場合は3年までに延長されます。  ユニバーサルデザイン推進事業の中で、思いやり区画の利用期間について、制度の拡大ができないか、見解をお伺いします。 ◎市川 健康医療福祉部長  妊産婦の思いやり区画の利用証の有効期間につきましては、令和3年4月に制度改正を行いまして、妊娠7か月目から産後3か月までとしていたところを母子手帳取得時から産後1年間に変更を行ったところでございます。  本県におけます有効期間は、他府県と比較して長いほうではございますものの、議員御紹介のとおり産後2年まであるいは多胎児の場合は産後3年までと延長されるところもございまして、利用者目線に立った制度の拡大とともに、思いやり区画数の確保にも取り組んでまいりたいと存じます。 ◆清水ひとみ 委員  ありがとうございます。  三重県にこの4月から延長されるということで、問合せさせていただいたら、やはり多胎児サークルのお母さんからの御要望を受けて、ここまでの期間に延長に踏み切ったとのことでしたので、もう来年度早々には拡大をぜひお願いしておきたいと思います。  次に、日本視覚障がい情報普及支援協会が障害者や小さな文字が読めない高齢者らを支援するため、印刷物やウェブサイトの文字情報をユニボイスと呼ばれる二次元コード、音声コードに変換するシステムを開発されました。このコードの文字情報を音声で読み上げる無料のアプリ、ユニボイスブラインドも作成されています。  行政情報の幅広い提供のため、福岡市においては、この協会と連携をして、市のホームページで公開中の市政情報を音声で聴ける機能を追加されたと聞いております。視覚障害者はもとより、誰にも優しい情報のユニバーサルデザインに向けての取組についてお伺いをします。 ◎市川 健康医療福祉部長  本県では、県広報誌滋賀プラスワンや国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会の広報誌シャイン!!の点字版、音訳版の配布、県ホームページの文字音声サポートにより視覚障害のある方もアクセスしやすいように努めているところでございます。しかし、限られた範囲での取組でございまして、視覚や聴覚に障害のある方はもちろん、高齢者や子供たち、外国の方など、誰にでも分かりやすい情報が様々な場面で提供できるよう取り組むよう努める必要があると考えているところでございます。  まずは、例えば視覚障害者の方に対しましては、現在、改定中の行動指針の啓発資料に音声コードを導入し、当事者の感想や御意見を伺った上で、庁内各所属のユニバーサルデザインの推進員の方々とのその活用についての意見交換をするなど、様々な機会を捉えて、誰にもやさしい情報のユニバーサルデザインの普及に向けて取り組んでまいりたいと存じます。 ◆清水ひとみ 委員  様々ありがとうございます。  ユニバーサルデザインについては、本当に技術の進歩が目覚ましいですし、今のユニボイスアプリに関しても、文字情報が日本語だけではなくて、英語や中国語、韓国語など19言語まで対応ができるということを聞いております。より技術の進歩を生かしながら、生活の質が高度なものになりますように、皆さんが生活をしやすくなるようにどんどん良いものは導入していただきたいということを要望して終わります。ありがとうございました。 ○細江正人 委員長  以上で、清水ひとみ委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、黄野瀬明子委員、待機席へお願いします。  それでは、黄野瀬明子委員の発言を許します。 ◆黄野瀬明子 委員  部局別予算の概要の118ページ、児童健全育成事業費について伺います。  2021年度、県は児童クラブの質の向上を目的として、放課後児童クラブ実態調査を実施し、報告書をまとめられました。この実態調査は、大規模過密の児童クラブの施設の改善や支援員の処遇改善を求めてきた学童保育関係者の要求が実ったものです。その報告書を基に、放課後児童クラブの整備について、全て健康医療福祉部長に伺います。  学童保育の基準単位は、厚労省令でおおむね40人以下の児童数とされています。実態調査では、県内の放課後児童クラブ376施設のうち児童クラブの1日当たりの平均利用者数が41人を超える支援単位は、公設公営で6.9%、18単位、公設民営で18.9%、28単位、民設民営で9.3%、4単位ありました。  2020年9月定例会で、私は、学童保育の支援単位は40人以下とすべきではないかと問い、健康医療福祉部長は、実際の利用者数がどうなっているか、まずは実態把握をしていきたいと答弁されました。実態調査を踏まえ、学童保育の41人を超える支援単位について、新年度の取組はどのようにするのか、部長に伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  一つの支援単位を構成する児童の数は、地域の実情等を勘案いたしまして、市町において条例で基準を定めておられまして、直ちに省令で示す国の基準を超過するものではございませんが、施設整備による質の向上が必要と考えているところでございます。このため、これまでから市町から要望のあった施設整備は全て予算化し、おおむね40人以下となるよう取り組んできたところでございまして、新年度も増築や創設について予算要求し、今後も市町に対する施設整備の活用を促してまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  次に行きます。  児童1人当たりの専用区画面積は、厚労省令で子供1人につきおおむね1.65平米以上とされています。実態調査では、1.65平米未満が公設公営で6.4%、公設民営で10.1%、支援単位で計32単位ありました。  健康医療福祉部長は、この1.65平米という基準は最低限満たすべき基準というふうに考えている、実際のクラブの運営に当たってはこれを上回る形となることが望ましい、市町と一緒に質の向上を考えると答弁されていました。  施設が理想とする面積の回答も、1.65平米から2平米未満が一番多い回答でありました。少なくとも1.65平米未満を解消するために、新年度どのように取り組むのか、伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  専用区画の面積につきましても、施設整備による質の向上が必要と考えておりまして、先ほどの答弁と同様ではございますが、新年度も増築や創設について予算要求を行いまして、今後も市町に対して施設整備の活用を促してまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  先ほどの答弁もそうなんですけれども、市町が条例化されて基準を決めておられるということなんですけれども、県として、このように実態把握をしていただいたということもありますので、やはり先ほどの1日当たりの利用者数が41人を超えるような実態とか、面積でも1.65平米というのは、これは畳1畳分よりも狭いんですね。これで1日子供さんが過ごすというのはあまりに狭過ぎるというふうに思います。  こういうことをやはり市町の皆さんに分かっていただいて、さらに質を向上するという姿勢が大事だというふうに思いますが、その点で、ぜひ前向きに働きかけをしていただきたいというふうに思うんですけれども、その点について再問をいたします。 ◎市川 健康医療福祉部長  今、御指摘がありましたように、実態調査の結果、当然、市町の方も御存じでいらっしゃいます。  それから、施設整備でございますけれども、当然、市町のほうから御相談があったときに、今、御指摘いただいた面積の要件のことですとかにつきまして、当然、お話をしておりますので、そういった中で、改善に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  次に伺います。  支援員の配置は、従うべき基準から参酌基準に後退をしていますが、一つの支援単位に2人以上置くこととされています。実態調査では、2名配置している施設が43.3%で最も多いものの、1名配置が24.1%、112支援単位ありました。施設が理想とする配置人数は2名という回答が最も多く、次いで3名でありますが、この理想の配置はできていません。新年度、どのようにされようとしているのか、伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  放課後児童支援員の配置につきましては、省令で示す国の基準で2人以上の配置が必要と定められておりますが、うち1名は放課後児童支援員を補助する補助員に代えることができるとされているところでございます。  支援員になるためには、放課後児童支援員認定資格研修を受ける必要がございますが、これまでは放課後児童クラブで働いているとか、あるいは働く予定の人のみを対象としていたところを令和4年度から要件を一部緩和し、担い手の裾野拡大を図ったところでございます。  来年度もこうした取組を通じまして、引き続き支援員の確保に努めてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  資格の取得の要件緩和とか、そういうことでしていただくということなんですが、支援員が1名の配置というのが実態調査では112支援単位あるということが分かったんですが、これらを2名体制にするということに対して、どこまで新年度、体制強化が見込めるのか、再度伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  この取組につきましても、各市町におかれまして考えていただいているところでございますが、先ほどと同様に、2名以上の配置ということになってございますので、そのような働きかけを様々な機会を通じて行っているところでございます。 ◆黄野瀬明子 委員  次に行きます。  支援員などの職員を安定的に雇用していくために施設が望む公的支援は、職員の給与改善に関する公的支援の充実が65.1%で最も多い結果となっています。一方、国の放課後児童支援員等処遇改善事業やキャリアアップ処遇改善事業など、補助事業を活用していないという回答が最も多く、半数近い施設が実施していません。  健康医療福祉部長は、活用していない理由を踏まえ、改善を市町と共に考えると答弁されていましたが、新年度、どのように進めるのか、伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  滋賀県放課後児童クラブ実態調査の結果では、処遇改善事業が十分に活用されていない理由として、事務負担が大きい、また他の業務に従事している職員との均衡が図れないといった具体的な課題の回答があったところでございます。  これらの回答を踏まえまして、令和3年11月に開催いたしました市町担当者会議において、実際に処遇改善に係る事業を活用している市町の状況を共有いたしましたところ、令和4年度から新たに実施された市があったということから、来年度も引き続き担当者会議等において好事例の共有を行いまして、未実施の市町に対し処遇改善を働きかけてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  新たに実施される市が誕生したということで、この担当者会議の成果だというふうに思います。まだ未実施の市町があるということなんですが、19市町のうち、これらの処遇改善事業を実施してない市町というのはそれぞれどれだけあるのか、伺います。再問です。 ◎市川 健康医療福祉部長  放課後児童支援等処遇改善事業を実施しておられない市町の数は9でございまして、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業を実施されておられない市町は7でございます。 ◆黄野瀬明子 委員  次に移ります。  放課後児童クラブ巡回支援事業は、昨年度から今年度、そして新年度と3か年で実施されています。この事業の目的と照らして、これまでの成果と課題が見えてきたのではないかと思います。それらを踏まえ、新年度、どのように取り組むのか、伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  本事業は、アドバイザーによる助言指導により放課後児童クラブの質の向上を図ることを目的としております。令和3年度に80施設を巡回いたしまして、監査とは違った観点で、支援員の悩みをお聞きしながら寄り添った助言指導が行われたこと、また市町とも現状や課題を情報共有できたことが成果であると考えているところでございます。  一方で、災害等の訓練が実施されていないなど、子供の安全に関する課題があるクラブが複数見受けられたところでございます。さらに、今年度、見えてきた課題も踏まえつつ、子供が安心して過ごせる生活の場となるよう、まずは来年度中に全てのクラブを一巡し、今後の事業展開に生かしてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  課題も見えてきたということであります。  2021年2月定例会で、私は、支援が必要だと思われる施設があれば、1回きりではない巡回支援の継続を求めたところ、健康医療福祉部長からは、巡回支援で課題等がある場合は、市町とともに、その都度、その都度、必要な対応を継続して考えていきたいと御答弁がありました。引き続き支援が必要だと思われる施設はいくつあったのか、伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  令和3年度に巡回した80施設のうち、児童の安全な確保などの課題がありまして、引き続き巡回支援において助言、相談が必要な施設は19施設ございました。 ◆黄野瀬明子 委員  この事業ですね、現場の職員の皆さんから大変歓迎の声を聞いております。特に勤務年数の浅い指導員さんは、困難を抱えた子供さんや御家庭への対応をどうするのがよいのか、ベテランの指導員経験者から実践的な助言を聞けて大変ありがたいと、こういう好評の声を聞いているところです。  この事業は新年度が3年目で、一巡して終わってしまうということなんですが、既に今19か所の支援の継続が必要という御答弁もございました。支援を継続し、フォローしていく必要があるのではないでしょうか。再度、伺います。 ◎市川 健康医療福祉部長  施設からは、具体的な改善策を示しながら寄り添った助言が頂けるということで、今、委員の御指摘がありましたように、繰り返し訪問を望む声なども聞いているところでございます。まずは全ての施設を一巡するために、新年度も引き続き巡回支援を行いまして、その結果も踏まえて、今後の事業展開を検討してまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  ぜひとも継続的な巡回支援の事業をお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。予算に関する説明書の137ページ、男女共同参画総務費について伺います。  2021年6月定例会で、当時、中條副知事は、「新型コロナの影響は就労の場では非正規労働者の割合が過半数を占める女性の雇用を直撃した。新型コロナ危機は働き方や価値観に大きな影響を与え、これまでの男女共同参画の課題を改めて明らかにした。その課題を踏まえた滋賀県男女共同参画計画、女性活躍計画の策定を進めている」と答弁されました。  2020年2月定例会で、私は、滋賀県でも女性の賃金は男性の約半分で、一生涯では約1億円の差があること、そのため、年金額でも女性の国民年金額は男性の91%、厚生年金は男性の61%であることから、男女の賃金格差の是正が必要ではないかと問い、知事は、「依然として男女間の賃金格差が生じている。是正を図っていく」と答弁されました。  これまでの議論を前提に、計画策定から2年目の予算編成に当たり、全て商工観光労働部長に伺います。  男女共同参画総務費の中で行われます滋賀県女性活躍推進企業認証制度の認証事業者数の現在到達を踏まえて、新年度の目標を伺います。
    ◎浅見 商工観光労働部長  令和5年2月末現在の認証事業者数は290社で、令和5年度は300社を目指すこととしております。 ◆黄野瀬明子 委員  昨年、ちょうど丸1年前ですけれども、問わせていただきましたところからは13社増えたということです。  目標を今、言われましたけれども、計画の中で、長期的な目標を示していらっしゃると思います。この目標達成の見通しについて伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  パートナーしがプラン2025の中では、認証企業数の目標設定はしておりませんが、二つ星以上の認証企業の目標値設定をしているところでございます。こちらにつきましては、令和4年度末の目標設定が130社ということになってございます。こちらにつきまして、現在の状況で申し上げますと、135社ということになってございます。 ◆黄野瀬明子 委員  着実に進んでいるということで、次に伺います。  滋賀県女性活躍推進企業認証制度、以下、認証制度と言います。この認証基準のうち、男性の賃金を100とした場合、女性の賃金が74.3%以上であるとの項目があります。この基準を達成する事業者数の到達状況を踏まえて、新年度の取組を伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  この制度の目的は、事業者の自主的な取組をPRし、もって県内におけます女性活躍を促進していくことにございまして、そういった観点から、各項目の基準の達成についての目標値設定は行っておりません。  その中で、先ほど申し上げました認証企業290社のうち男女の平均賃金の差異の項目につきまして、基準を達成している認証事業者数は72社となってございます。  男女の平均賃金の差異は、平均勤続年数、正規雇用比率や管理職比率に男女で差異があることなどが要因と考えられるところでございます。このため、新年度におきましては、イクボスセミナーをはじめといたします企業向けセミナーやキャリアアップの意識づけのための異業種交流会、働き方改革の推進など、様々な取組を組み合わせて多方面に働きかけ、基準を達成する事業者の増加につなげてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  ちょうど1年前から比べますと、11社増えたということであります。さらなる取組を進めていただきたいと思います。  次に行きます。  認証企業のうち、男女の賃金格差の公表を行う事業者数の到達状況を踏まえて、新年度の取組を伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  先ほど申し上げましたとおり、項目ごとの目標設定は行っていないところでございますが、男女の平均賃金の差異の項目につきまして、基準を達成している事業者のうち公表を行っている事業者は40社でございます。  公表を行う事業者を増やすためには、まずは基準を達成する事業者を増やす必要がありますことから、先ほど申し上げたような様々な取組によりまして、基準を達成する事業者を増やしてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  こちらの方は、1年間で4社の前進ということであります。なかなか公表というところは一足飛びにはいかないという課題もあるかと思います。  次に、伺います。  2020年2月定例会で、商工観光労働部長は、「男女賃金格差は大変重要な問題。この制度をどういう形で運用していくか、不断の見直しは必要。開示制度の在り方について、国の制度見直しの動きがあり、動向を注視する」と答弁されました。  国で301人以上の従業員数がある企業については、男女の賃金格差の公表が義務化となったことを踏まえ、滋賀県の制度の男女の賃金格差の公表について、さらに実効性を高めるために見直しをすべきと考えますが、見解を伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  委員御指摘のとおり、国の制度改正によりまして、従業員301人以上の事業主は男女の賃金の差異について公表が必須とされたことから、県の認証制度におきましても、従業員301人以上の認証事業者につきましては、男女の賃金の差異を県のホームページでも公表するよう制度改正を行う予定としております。 ◆黄野瀬明子 委員  県のホームページでも公表されるということで、それは良い取組というふうに思います。  再問させていただきます。  男女の賃金格差を公表するということは、男女の賃金格差是正のいわば入り口、第一歩に過ぎません。現実の格差を是正する、そのためには、例えば労働者や労働組合などに情報が共有されて、不合理な賃金格差を是正する追及、これがなければ企業独自の改善というのはあまり期待ができません。男女の賃金格差を公表している事業者の情報を、例えばハローワークとか、県内の大学、高校など、就職支援をされている担当部署あるいは県内の労働組合、こういったところに情報提供をする取組が有効だというふうに考えますが、その見解を伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  委員御指摘のように、そういった情報を広く周知するということは、是正をしていくのに必要といいますか、あり得ることかなというふうに思います。ただ、先ほども申し上げましたように、事業者の自主的な取組をPRするという点もございますので、そのあたりのバランスをどういうふうに踏まえながらそういったことができるか、また工夫を検討してまいりたいと考えております。 ◆黄野瀬明子 委員  よろしくお願いいたします。  一方で、国の資料ですけれども、女性は45.9%が300人以下の企業で働いているということであります。男女の賃金格差の公表は少なくとも100人以上の企業を対象にするとか、対象を広げていくことが必要というふうに思います。この点でも、県の制度の検討、見直しということを引き続き不断に行っていただきたいということと、国の義務化ということが大変効果が大きいものでありますので、この対象拡大ということを国に働きかけるということも必要だと思います。今後の検討課題にしていただきたいと思います。  次に移ります。  男女の賃金格差が大きい要因に、女性の正規雇用比率の低さがあります。県の認証制度の認証には、女性の正規雇用比率の公表を必須とされております。公表されました数値を見ますと、認証企業の中でも、女性の正規雇用比率の全国平均よりも下回るという企業が1年前には約6割、166社ありました。現在、全国平均の基準を上回る事業者数の到達状況を踏まえて、新年度の取組を伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  先ほど申し上げたとおり、申し訳ございませんが、目標値設定はしておりませんが、女性の正規従業員比率の基準を達成している事業者は121社でございます。  令和5年度につきましては、認証基準を一部見直しまして、正規の職員、従業員の新規就業者に占める女性比率という項目を設けることとしております。このことによりまして、女性の正規従業員の採用の見える化、そして促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆黄野瀬明子 委員  不断の見直しをしていただきたいと思います。  次に移ります。  女性の非正規雇用が増えている要因について、商工観光労働部長は、「派遣法改正による派遣業種の拡大、企業の雇用調整の必要性、出産、育児にかかる時間、世帯全体での税や社会保険料の兼ね合いからあえて就業を抑制する動きがある、そして、これらは社会的な要因、制度に起因するものも多々ある。こうしたことに、国全体、また県としても取り組むべきところは取り組んでいく」と述べられておりました。また、「正規雇用の問題は大変重要な問題、この制度の中でどのように運用改善していくか、常に持ちながら運用改善に努める」とも答弁されました。  女性の正規雇用比率の引き上げや男女の賃金格差の是正に向け、新年度、さらに実効性ある県の取組をどのようにしていくのか、伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  新年度からは、先ほど申し上げました男女の賃金の差異の公表などに加えまして、男女の平均賃金の差異や女性正規従業員比率などを自己点検し、その達成率をレーダーチャートで見える化する女性活躍推進状況チェックシートを事業者の皆さんに活用していただき、各事業者が自らの課題を把握し、改善に取り組むよう促してまいる予定でございます。こうした取組によりまして、誰もが希望する働き方が選択でき、働く人がより安定して働き続けられる社会づくりにつなげてまいりたいと存じます。 ◆黄野瀬明子 委員  内部で議論されて、改善をされていっているというお話を聞かせていただいてきました。ぜひこの歩みを止めずに、どんどん進めていっていただきたいというふうに思います。  冒頭紹介いたしました当時の中條副知事の言葉が大変印象的でありました。コロナ禍で浮き彫りになった女性の貧困の話でありますが、この根本には、男女の賃金格差の問題がやはりあるというふうに思います。部長が答弁されましたとおり、社会的な要因、制度に起因するものが多々あると。こうしたことは、国全体、また県全体、県としても取り組むべきところは取り組んでいく、こういう角度の問題だというふうに思います。  女性が経済的に自立できない社会制度を洗い出して、他部署に発信していくことをぜひとも部署としてやっていただきたいということを述べて、質疑を終わります。 ○細江正人 委員長  以上で、黄野瀬明子委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  次に、松本利寛委員、待機席へお願いします。  それでは、松本利寛委員の発言を許します。 ◆松本利寛 委員  学生時代からの私の友人で、県の農業改良普及指導員をしていた上田栄一さんという方が「みんなで楽しく集落営農」という書籍を出版されました。これは、ほぼ30年ほど前になるのですが、県の職員に勤続20年で7日間のリフレッシュ休暇を制度化をするということがありました。この7日間をどう使うかということで彼と話をしたら、当時、県が推進をしていた集落営農について、普及員の立場からみんなに読んでもらえるような本を出版したいという話だったので、ぜひやってくれということで、この本が出版されました。  1990年代以降、この書籍の広まりも含めて、滋賀県内に大きく集落営農の取組が広がって、五、六百という集落の中で、これが今まで実践をされてきています。それ以後30年間、滋賀の農業生産を支える、ある意味では原動力になってきたというふうに思います。しかし、今、この集落を支える組合員の平均年齢が70歳を超え、次代を担う農業従事者をどう確保するのかが滋賀県の未来の農業を考える上で最も重要で緊急の課題になっているというふうに思います。  そこで、改めて日本の食と農を誰が次の時代に担うのか、滋賀の食と農を誰が担うのかという大きな課題として、新規就農者の確保の問題があります。  そこで、来年度の予算に向けて、まず部局別予算の概要158ページ、新規就農者確保事業について、その概要を農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  この事業は、新規就農者の経営の円滑な開始と早期の安定を支援することで、その確保、定着を図ろうとするものでございます。  具体的に申し上げますと、就農前研修期間中の就農準備に必要な資金の交付、経営開始時の経営安定や定着を促進するための資金の交付、就農後の経営発展のために導入される機械、施設等への補助といった内容となってございます。 ◆松本利寛 委員  そのページの細目事業の中に、農業次世代人材投資事業費補助金があります。この資金の採択要件、事業計画の立案はどのように進められるのかなど、国の補助事業ですから、国の補助事業としての概要について、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  国のこの補助制度は、就農初期の経営の安定を図り、定着を促進することを目的とするものでございまして、令和3年度までに採択された方を対象に、就農から5年間、交付主体の市町から毎年最大150万円の資金が交付されることに対して県が補助するものでございます。  事業採択の要件は、経営開始時に49歳以下の認定新規就農者で、就農計画の達成が可能であると見込まれることなどでございます。また、申請者の計画の立案に当たりましては、市町、県等の関係機関、団体が指導、助言する仕組みとなっております。 ◆松本利寛 委員  この農業次世代人材投資事業の資金の交付要件について、事業資金の交付要件はどのようなものなのか、事業の評価項目と評価の手法について、誰がどのように行うのか、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  毎年度の資金交付の要件は、当該年度におきまして採択時の要件を満たしていること、必要な状況報告を行っていること、適切な農業経営を行っていることなどでございます。さらに3年目以降は、市町が実施する中間評価で不良でないことが要件となっております。こうした要件につきまして、市町が毎年度、必要な確認等を行って評価する仕組みとなっております。 ◆松本利寛 委員  この資金を受けて、5年前に県内で酪農を営んでおられたお父さんが亡くなられて、急遽帰郷して、その事業を引き継いで、現在、酪農に従事しておられる青年がおられます。実は、この青年が本事業の農業次世代人材投資事業の資金交付の停止、打切りになったということを伺いました。なぜそのような事態が生まれるのか。いろいろ聞けば、中間評価の結果、事業継続が難しいと判断されたというふうに聞き及んでいます。  そこで、本事業における中間評価の方法や事業評価の結論はどのようにして出されるのか、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  中間評価は、交付期間2年目が終了した時点におきまして、市町が県、JA、日本政策金融公庫等の関係者により構成されます評価会を設置いたしまして、経営・栽培管理状況、就農計画の達成見込みなどを評価することとなっております。  関係者により、これまでの助言、指導でも改善が見られず、評価会において評価区分が不良と判断されますと、市町はその評価を踏まえまして、3年目以降の資金の交付を停止すると、こういった制度になっております。 ◆松本利寛 委員  私もお出会いをして話を伺いました。資金交付の停止を受けた青年は、現在でも自ら絞った乳をミルクバターやプリンに加工して製造販売をして経営を続けておられます。私は努力をしているように見えるのですが、今の酪農をめぐる状況では、この交付金の停止は言わば廃業を迫るような事態になるのではないかというふうに思っています。  昨年2月以来、滋賀県内の49の酪農家のうち6つの酪農家が廃業に追い込まれるという、そういう非常に厳しい県内の酪農状況にあります。  先日も、高齢者の御夫婦が営んでおられる牧場に寄せていただいたら、もう年齢からいってやめたいんだけども、やめるにやめられないという状況なんだというふうにおっしゃっています。このまま進行すれば、県内の酪農はほとんど、本当に厳しい状況に追われるのではないかというふうに思うんです。  そこで、次世代人材投資事業に係る経営支援について、改めて知事に伺います。  本来、この事業は次世代の農業の就業者を育成するためのものです。経営の継続を支えることこそ普及指導事業に関わる職の使命ではないかというふうに考えます。経営上の意見の違いや、また経営上の習癖をも協働して克服することこそ普及事業の重要な役割ではないかというふうに思うんです。  今、県内の酪農家が次々に廃業し、滋賀の酪農が危機的な状況にあるだけに、懇切丁寧に粘り強い普及指導を通じて、滋賀の酪農家が経営を継続できるように援助を促すものですが、知事の所見を伺います ◎三日月 知事  答弁を委任してもいいということなんですけど、私が答えます。  酪農経営では、飼料価格の大幅な上昇など、予断を許さない状況と認識しています。今後、関係団体と連携いたしまして、県産畜産物の安定供給と消費拡大のための対策に力を入れますとともに、酪農家の皆様に寄り添い、畜産を取り巻く情勢の変化や国の動きも踏まえながら、自給飼料の生産拡大など、畜産経営の収益性向上のために必要な支援策を講じてまいります。  酪農を含めて、将来の本県農業を担う農家の確保、育成のため、県では就農相談から就農定着に至るまで、各種研修、普及指導員による技術、経営指導など様々な支援を行っているところでございます。今後も、農業者それぞれの経営の実情に応じまして、国や県の事業を活用しながら、関係機関や団体等とも連携し、必要な助言や指導を行ってまいりたいと存じます。 ◆松本利寛 委員  この青年が酪農仲間の研修会で発言をしておられるのですが、その文章、手紙を頂いています。少し紹介します。「私の原動力は、酪農という大好きな仕事をして暮らせる幸せです。これからも牛とともに一歩ずつ歩んでいきます。」というふうに締めくくっておられます。  様々な経営上の意見の違いや、あるいは弱点も含めて、やっぱり懇切丁寧に指導もし、援助し、滋賀の酪農を守り続けられるようにぜひ援助していただきたいということを申し上げたいというふうに思います。  それでは、次に移ります。  次に、157ページの人・農地のみらいを考える地域計画推進事業について、農政水産部長に伺います。  集落営農の継続性を確保する次世代の担い手の状況など、集落営農の経営状況による全体の状況を農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  令和3年度末時点では、県内には603の集落営農組織がございまして、本県の耕地面積の20%を担っていただいている重要な担い手となっているところでございます。しかしながら、約6割の集落営農組織で将来のオペレーターの候補者がいないなど、人材の確保、育成が大きな課題となっておりまして、集落営農組織の継続が難しくなりつつある状況にあるものと認識をいたしております。
    ◆松本利寛 委員  次に、同じく157ページの集落営農活性化プロジェクト促進事業の目的、手法、効果など、この事業で進めようとする手法の具体的事例を農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  この事業は、集落営農の活性化を目的といたしまして、関係機関のサポートの下に、集落営農組織が行う活性化に向けたビジョンづくりとその実現に向けた取組を支援して、経営の継続性の確保を図るものでございます。  具体的に申し上げますと、集落営農組織の法人化、専従者等の雇用、高収益作物の導入、集落間連携等によります共同利用機械の導入、こういった取組に対して補助をして、モデル事例として育成をしようとするものでございます。 ◆松本利寛 委員  集落営農の担い手をどうつくるのか、これ、本当に緊急の課題なんですが、そこで、最後に知事に伺いますが、集落営農の担い手づくりは、どの営農組織でも最も重要な課題になっているのですが、これらの事業による実践事例が各地の普遍的な解決手法となるように、それぞれの現場に即した活性化法を提示する必要があるのではないかというふうに考えます。  そこで、そうした実践事例なども含めて、知事の所見を伺います。 ◎三日月 知事  重要なことだと思います。県内の集落営農組織は、経営規模や構成員などの状況が様々でありますことから、組織の活性化に向け、集落内の人材の棚卸しを行い、オペレーターなどとして確保する手法や大規模農家と連携する手法など、様々なタイプに対応できる地域農業戦略指針を作成しているところです。この指針を活用し、各集落での話合いを進めるとともに、普及指導やオペレーター研修などの他の事業も組み合わせ、集落の実情に応じた実践的な活動が進むよう支援してまいりたいと存じます。 ◆松本利寛 委員  冒頭申し上げました上田栄一氏が著したような、どこの集落で見ても一遍読んでみたいなというような書籍なども含めて、集落で参考になるということをぜひ普及していただきたいというふうに思います。  次に移ります。  予算に関する説明書69ページの文書管理費について、総合企画部長に伺います。  まず、公文書管理情報公開、個人情報保護審議会について、年間の審査件数、審査に要している時間、県の審査の体制はどのようになっているのか、総合企画部長に伺います。 ◎東 総合企画部長  御質問の審議会につきましては、諮問のありました審査案件につきまして、調査、審議をいたします審査部会を設置いたしまして、その中に2つの部会を設けまして、複数の案件を効率的に審議できる体制を整備しているところでございます。また、事務局として各分科会に職員1名ずつを配置しているところでございます。  こうした体制の下で、令和3年度におきましては、審議すべき案件は32件でございまして、当該年度に答申された案件につきまして、諮問から答申までの期間は平均で502日となっているところでございます。 ◆松本利寛 委員  今の審議会とも関連しますが、次に、行政不服審査会について、年間の審査件数、審査に要している時間、県の審査の体制はどのようになっているのか、総合企画部長にお伺いします。 ◎東 総合企画部長  御質問の審査会につきましては、こちらも2つの部会を設置いたしまして、複数の案件を効率的に審議できる体制を整えておりまして、事務局といたしましては、各部会に、先ほど答弁いたしました審議会と兼務で1名ずつ配置をしているところでございます。  こうした体制の下で、令和3年度には審議すべき案件が80件ございました。そして、当該年度に答申された案件につきまして、諮問から答申までの期間は平均で383日となっているところでございます。 ◆松本利寛 委員  今、部長の答弁にありましたように、平均でも500日とか、あるいは380日とか、1年を超えるような審議期間になっているのです。  公文書管理や情報公開、個人情報保護審議会および行政不服審査会の執行体制についてですが、閲覧申請が終わって、答申まで1年以上の長期にわたる審査になっている事例があります。また、不服審査の請求も同様です。  1年以上要している実態があると聞きますが、審査期間の実態について、知事に改めて伺います。 ◎三日月 知事  平成31年4月1日に、旧滋賀県情報公開審査会および旧滋賀県個人情報保護審議会を改組いたしまして、公文書管理情報公開個人情報保護審議会を設置いたしました。その際、総合企画部長より答弁いたしましたとおり、2つの分科会を設置し、複数の案件を効率的に審査できる体制を整備し、行政不服審査会においても同様の体制としているところです。  いずれの附属機関とも行政不服の審査請求を審議する重要な組織でございまして、慎重な対応が求められますことから、迅速かつ丁寧な運営ができるよう改善したところでありますが、改組して以降、審議すべき件数が増加しておりますため、相応の期間を要しているという、こういう実態がございます。 ◆松本利寛 委員  いずれの審査会や審議会も、長期の審査期間を要するような審査では情報公開や情報に係る県民の皆さんの権利保障にはならないと。行政不服審査会についても同様です。  総務省が、令和4年1月に行政不服審査法の改善に向けた検討会の最終報告をまとめて、国、地方自治体の行政不服審査の改善を求めました。迅速な審査がなぜできないのか、審査委員会の開催回数を増やすとか、あるいは執行体制ももっと充実などの対応が必要ではないのかというふうに考えるのですが、知事の所見を伺います。 ◎三日月 知事  今、御紹介いただいた総務省の報告ですね、これは国において改正行政不服審査法の施行から5年を経過したことを踏まえて、制度の運用状況を評価し、検討すべき内容等を取りまとめられたものと承知しております。その後、令和4年6月に国から出された行政不服審査会等における事務処理マニュアルにおきましては、審査会の委員への事前説明や資料の事前送付など、迅速な審査のための取組が示され、それに即して迅速な運用を図っているところでございます。  今後、さらに国において制度の見直しが行われる場合は、これも適切に対応いたしまして、より迅速な運用に努めてまいりたいと存じます。 ◆松本利寛 委員  開示請求をして、その情報が欲しいと、その情報がどうしても必要だという方が請求されたのに、いや、駄目ですよと。それを審査会にかけて、1年あるいは500日もかけて審査したら、その情報を求めた意味がないということですから、これはやっぱり改めて体制の整備や、聞くところによると、この審査会も年に8回ぐらいしか開かれていないという状況ですから、少なくとももっと回数を増やして、それに対応していただけるよう委員の皆さんにお願いもして、ぜひ改善をしていただきたいというふうに思います。  次に移ります  CO2ネットゼロ社会づくり総合調整費について、総合企画部長に伺います。  まず、部局別予算の概要20ページのこの事業を通じて削減するべきCO2の目標と年次ごとの削減目標の設定について、総合企画部長に伺います。 ◎東 総合企画部長  御質問の事業につきましては、来年度の主な取組といたしまして、県有施設における太陽光発電設備の導入や照明のLED化に向けた調査等に必要な予算を計上しているところでございます。  来年度は調査事業でございまして、当該年度中にはCO2の削減は見込んでおりません。今後、調査結果を踏まえ、令和6年度から5年間で整備を進めていくこととしておりまして、現時点におきまして、これにより年間1,700トンの削減を見込んでいるところでございます。  こうした県庁における排出削減の取組に関しましては、推進計画におきまして、2030年度に県庁における温室効果ガス排出量50%削減する目標を設定しているところでございますが、事業ごとの年次目標については設定をしていないということでございます。 ◆松本利寛 委員  次に、同じページだと思うんですが、省エネ・再エネ等加速化推進費について、総合企画部長に伺います。  この事業、いくつかあると思うんですが、各種の取組を通じて削減すべきCO2の目標と年次ごとの削減目標の設定について、総合企画部長にお伺いします。 ◎東 総合企画部長  御質問の事業につきましては、来年度の主な取組といたしまして、一つはスマート・ライフスタイル普及促進事業といたしまして、家庭部門の省エネ、再エネを促進するための予算を計上しておりまして、これにより約1,500トンの削減を見込んでいるところでございます。  また、もう一つは事業所省エネ・再エネ等推進加速化事業およびPPA等普及促進事業といたしまして、産業業務部門の省エネ、再エネを促進するための予算を計上しておりまして、これにより約500トンの削減を見込んでいるところでございます。  こうした取組に関しまして、推進計画におきましては、2030年度の排出量の削減目標といたしまして、家庭部門で約146万トン、産業部門および業務部門で約411万トンの削減を掲げているところでございますけれども、事業ごとの年次目標につきましては設定をしていないところでございます。 ◆松本利寛 委員  次に、21ページのムーブメント推進費について、ムーブメントを起こすことを目的とする事業ですが、そうしたムーブメント効果を通じて、CO2削減の年次別の到達目標を考えて実現させようとする数値があるのか、総合企画部長に伺います。 ◎東 総合企画部長  御質問の事業につきましては、来年度の主な取組といたしましては、ウェブサイトゼロナビしがによる見える化を進めますとともに、産官学金民連携のプラットフォームでありますネットゼロフォーラムしがにおきまして、ムーブメントの創出を図るというものでございます。  こうしたこれらの取組は、ネットゼロ社会の実現に向けた機運醸成を図ることが目的でございまして、CO2の削減量を定量的に図ることは困難でありますことから、目標は設定していないところでございます。 ◆松本利寛 委員  今、伺ったのは全て総合企画部が所管しておられるCO2削減に関わる事業なんですけども、県庁全体ではもっと、他の部局も含めて多数のCO2削減のための事業が展開されていると思うんですけども、県が掲げた2030年へ向けてCO2削減目標は明確に示してるわけですね。711万トン、今るる部長がおっしゃった数字とは桁が全く違います。  この711万トンを2030年までに削減するということであれば、県全体あるいはそれぞれの事業について、今年度はどれぐらい到達するのか、来年度はどこまで到達するのか、そういう年次計画を立てて削減目標を推進しないと、2030年になってから、50%でした、30%でしたというわけにはいかないわけだから、そういう意味で、それぞれの事業ごとに削減目標を立てて、それをどう具体化するのかということがある意味では今必要ではないかというふうに思います。非常に数値的なはじき出しは難しいかも分かりませんけれども、そこへトライすること自身がこのCO2削減711万トン、私は711万というのは少ないと思うんですよ。今、求められている数字から言えば。そういう点で、CO2削減目標は年次別の到達を示して、計画的に推進するべきものというふうに考えるのですが、その具体化はどうされるのですか。総合企画部長に伺います。 ◎東 総合企画部長  温室効果ガス排出量の算定に当たりましては、電気の排出係数の変動や技術革新等による取組の加速化、また排出権取引制度の導入など多くの不確定要素が存在いたします。こうしたことから、国のエネルギー基本計画や地球温暖化対策計画などにおきましても、年次目標は設定されていないところでございます。  県におきましても同様に、推進計画におきまして年次目標の設定は行っておりませんけれども、CO2ネットゼロ社会づくり審議会におきましても、取組状況を分かりやすく示していく必要があるとの御意見も頂いたところでございます。そのため、推進計画の実施状況につきましては、年次ごとの温室効果ガス排出量の目安を示すなど、進捗状況を分かりやすくお示ししたところでございます。  今後も、こうした毎年度の実績等と目標との関係を分かりやすくお示しして、県民の皆様と共有する中で、進捗状況を管理し、計画の推進に当たってまいりたいと考えております。 ◆松本利寛 委員  2030年までに711万トン削減するという計画が絵に描いた餅にならないように、ぜひ引き続いて努力をお願いして、私の発言を終わります。 ○細江正人 委員長  以上で、松本利寛委員の質疑を終了します。  しばらくそのままでお待ちください。  最後に、奥村芳正委員、待機席へお願いします。  それでは、奥村芳正委員の発言を許します。 ◆奥村芳正 委員  私が使っている車のナビでは、2時間を経過すると、そろそろ休憩はいかがですかと忠告してくるのですが、今、チャイムが鳴りました。いましばらくですので、トイレに行きたい方、どうぞ席を外していただいて結構ですので、どうぞよろしくお願いします。  それでは、通告に従いまして、2点、質疑をさせていただきます。  感覚的な話で恐縮ではありますが、近江牛については、東京圏での認知度が向上したような気がしております。  日本三大和牛といえば、松阪牛、神戸牛に続いて、関西では近江牛というのが当たり前ですが、東京圏では米沢牛と言われることが数年前は普通でありました。しかしながら、近年は東京圏でも3番目に近江牛が紹介される、もしくは近江牛と米沢牛が併記されることが多くなりました。これは、検索サイトでも同じような結果であります。このことは、近江牛に関わる全ての方の御努力が一番ではありますが、ここ数年、知事や農政水産部、観光振興局の職員、そしてここ滋賀の皆さんが東京圏での発信を地道に続けてこられた成果もあるのではないかと考えております。  県内の様々な観光地でも、近江牛を食することができるレストランも増えてまいりました。一方で、観光地も10年前と比較してラコリーナ近江八幡やびわ湖テラスなど、新しくかつ本県の看板となる施設も増えてまいりました。  関西圏以外の方、特に東京圏にお住まいの方の認識は、滋賀県は通過県でしたが、その認識も解消できるようにしていかなければなりません。  平成30年に一般質問をさせていただいたときに、ここ滋賀の来店者にアンケートをされた際、ここ滋賀をきっかけとして滋賀県に来訪されたのが30名中2名いらっしゃったとの趣旨の答弁をされました。現在、ここ滋賀に観光コンシェルジュを設置されておられますが、これまで滋賀への観光につなげた実績を商工観光労働部長に伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  答弁を青田商工観光労働部管理監に委任をいたします。 ◎青田 商工観光労働部管理監  今年度、ここ滋賀では4名の観光コンシェルジュを設置いたしまして、お勧めの訪問先やアクセス方法、具体的な周遊プランの御相談など、1月末までに3,446件の観光相談に対応しているところでございます。また、定期的に実施しております旅行受注会におきましては、これまで41名の旅行申込みがあったほか、県内で周遊に活用いただけるタクシークーポン、こちらは今年度414名に御利用いただいているところでございます。  こうした対応等によりまして、ここ滋賀から現地滋賀への送客数は、来館者への出口調査やインターネットでの利用状況調査などから、今年度上半期で4,000名を超えると推定しているところでございます。 ◆奥村芳正 委員  ありがとうございます。  ここ滋賀の成果が出ているということで、認識させていただきました。  コロナ禍でなかなか実績が上がらなかったとは思いますが、これからは頑張っていただき、観光コンシェルジュ4名いらっしゃると発言がありましたが、私たち以上に本県のことを熟知していることが必要であります。現在、配置されている観光コンシェルジュは、本県に住まわれたことがありますか。商工観光労働部長に伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  答弁を青田商工観光労働部管理監に委任をいたします。 ◎青田 商工観光労働部管理監  コンシェルジュの中には、滋賀県にお住まいだった方はおられませんが、親御さんが湖北の出身で、幼い頃から滋賀へ頻繁に訪問されたり、また滞在されているなど、滋賀にゆかりの方もおられます。 ◆奥村芳正 委員  滋賀にゆかりの方もおられるということで、少し安堵しました。  次に、旬な本県の魅力のある観光地について、商工観光労働部長に伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  ここ滋賀では、世界遺産登録を目指す彦根城や来年の大河ドラマの舞台となる石山寺など、本県の寺社仏閣をはじめ、歴史文化資源などに関心を持たれる方が目立っているところでございます。さらに、ビワイチについての相談が増えているほか、今年度、世界農業遺産に認定された本県の農山漁村での体験型の観光なども人気となっており、これらを滋賀ならではのツーリズム、シガリズムとして発信をしているところでございます。 ◆奥村芳正 委員  いくつか紹介がありましたので、特に商工観光労働部長がお勧めの観光スポットはどこか、教えてください。 ◎浅見 商工観光労働部長  今年度、世界農業遺産に認定をされましたので、本県の農山漁村での体験というものが大変お勧めかと思っております。
    ◆奥村芳正 委員  ぜひそうしたお勧めのスポットをパッケージにして、広く国内外に発信していただけたらと、このように思いますので、期待をしております。  本県に住んでいる私たちですら、これら新たな魅力に気づけないことが多いことかと思いますが、最新の魅力について、観光コンシェルジュが適時、適宜に把握し、東京の皆さんにもお伝えすることが重要であります。観光コンシェルジュに対して、滋賀県の最新の魅力などを熟知してもらうための研修などの実施状況を商工観光労働部長に伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  答弁を青田商工観光労働部管理監に委任いたします。 ◎青田 商工観光労働部管理監  観光コンシェルジュは専門的な資格と知識を有しまして、ツアーガイドや添乗員としても活躍されておられる方で、平素から委託事業者による研修を実施しているところでございます。また、私ども県職員を講師といたしまして、本県の魅力ある観光資源や、また個性的な特産品等についても研修を実施しているほか、ここ滋賀での度々ございますイベントにおける県内事業者との交流などを通じまして、本県への知見を深めていただいているところでございます。 ◆奥村芳正 委員  一層、観光コンシェルジュの皆さんの研修に努めていただきたいと、このように思っていますので、成果を期待しております。  以前に、東京の外国人観光客を滋賀県にも引っ張ってくることが重要とのお話をさせていただき、さきの一般質問でも頑張っていただくよう激励をさせていただきましたが、インバウンドを対象とした情報発信を新たに実施されるとのことであります。具体的にどのように取り組もうとされているのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  国の水際対策の緩和以降、首都圏において増加しつつある外国人観光客に対して、ここ滋賀を通じた滋賀の魅力発信の強化を図ることとしております。  具体的には、外国人観光客向けの情報サイトへのここ滋賀情報の掲載や外国人プレスに向けたイベントの開催など、海外メディアを活用した情報発信を進めてまいりたいと存じます。 ◆奥村芳正 委員  そういった取組は結果が全てだというふうに思いますので、積極的に挑戦していただくことを期待しております。  この項の最後として、リニューアルしたここ滋賀を拠点として、我が国に一番影響力、発信力のある東京圏への発信について、今後5年間、どのように取り組もうとされているのか、商工観光労働部長に伺います。 ◎浅見 商工観光労働部長  近江商人にゆかりの深い日本橋は社会経済の中心地の一つであり、滋賀の魅力を発信するにふさわしい拠点と考えております。  コロナ禍からの回復も見据えながら、ここ滋賀の第2期運営方針に定める重点取組である滋賀への誘客機能の強化と県内事業者との連携強化に着実に取り組み、東京から全国へ、世界へと滋賀を発信できるよう、熱意を持って取り組んでまいりたいと存じます。 ◆奥村芳正 委員  ここ滋賀での取組が日本橋を中心とした東京圏へ、そしてまた世界へという発言がありましたが、そうなることをこの5年間、しっかりと見定めて、激励をさせていただきたいと思いますので、期待をしております。頑張ってください。  それでは、最後に、県がセールスマンとして“湖魚”のPR・消費拡大に取り組む事業について伺います。  滋賀県と近江米、湖魚ともに、いずれも滋賀県の誇る食材でありますが、湖魚については、ホンモロコやアユ、ビワマスなど高級魚のイメージがある一方で、淡水魚特有の癖のあるイメージを持っている方もいらっしゃいます。  予算公表資料を拝見しますと、今回の事業では、県職員自ら湖魚のセールスマンとして湖魚の消費拡大を後押しするとのことでありますが、観光コンシェルジュと同様に、県職員自ら湖魚のことを知り尽くしていないとセールスマンはできません。  まずは、農政水産部長が今まで食べた中でおいしいと個人的に思った湖魚料理もしくは食品を3つ御紹介願います。 ◎宇野 農政水産部長  委員御指摘のとおり、琵琶湖は多彩な水産資源に恵まれております。  私自身も、かつて旧草津川の河口付近に広がっておりました水郷地帯の稲作農家でございまして、子供の頃に琵琶湖や近くの川、それと田植え時期に田んぼに上がってくる魚を捕ったり、貝を取ったりした記憶がございまして、食べた経験もございます。  3つと言われると非常に悩ましいところでございますが、個人的に申し上げますと、ニゴロブナ、特に自家製のふなずしをはじめ、ビワマスの刺身、それとホンモロコの炭火焼きなどを挙げたいと思います。私も、自宅やなじみの料理店で楽しんでおります。  ほかにも、シジミの味噌汁やヒウオの釜揚げ、それとゴリの佃煮など、挙げればきりがないほどおいしい湖魚はたくさんございますので、委員の皆様にもぜひいろいろな機会に御賞味いただければと存じます。 ◆奥村芳正 委員  3つなんて選びにくいですよね。私も3つぐらいやったら、すっと浮かんでくるのですけれども、いろいろな方に質問したかったんですけども、あえて農政水産部長に伺いました。  次に、新たな需要を掘り起こすことでありますが、もともと公務員はプロのセールスマンではなく、特に料理や食材のプロに対して納得するセールスはなかなか難しいかと思いますが、どのようなセールスをされようとしているのか、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  答弁を二宮農政水産部技監へ委任いたします。 ◎二宮 農政水産部技監  県職員の行うセールスとは、日々の漁業者等との交流を生かし、産地としての魅力を届けることであると認識しております。食材としての名前や特徴だけでなく、漁業者の捕り方やこだわり、旬、湖魚が育まれた琵琶湖の情景等、料理に添えてお客様に提供したくなるような産地ならではの情報に乗せて湖魚を売り込んでまいりたいと考えております。  セールスを通じて、琵琶湖イコール湖魚のおいしい産地ということを県内外の料理や食材のプロの方々に広く知っていただき、扱っていただけるよう取り組んでまいりたいと思っております。 ◆奥村芳正 委員  ありがとうございます。  次に、ビワマス、ニゴロブナ、ホンモロコ、イサザ、ゴリ、コアユ、スジエビ、ハスの8種類の湖魚を琵琶湖八珍として近年ブランド化に取り組んでおられますが、まだまだ世間には浸透していないのではないかと感じております。  今回の事業でも、琵琶湖八珍の魅力堪能としてPRに取り組まれるとのことでありますが、どのように認知度を上げようとしてるのか、その目標も含めて、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  二宮農政水産部技監へ答弁を委任いたします。 ◎二宮 農政水産部技監  琵琶湖八珍の認知度を向上させるためには、日々、消費者と対面している飲食店等の力が必要と考えております。まずは、湖魚の魅力を伝導するパートナーとして湖魚取扱店などの八珍マイスターとの連携を強化し、メニューフェアの開催など、1年を通じて湖魚を味わい堪能できる機会を提供してまいりたいと考えています。さらに、漁業体験や調理体験など、漁業者も参画した体験型の企画を展開し、生産者や飲食店とともに、琵琶湖八珍をはじめとする湖魚が日々の食卓に上る食材であると消費者の皆様に認識されることを目標に取り組んでまいりたいと考えています。 ◆奥村芳正 委員  おっしゃるとおり、なかなか消費者の我々の食卓に並ぶものと並ばないものと限定しておりまして、8種類全てが手に入ることはなかなか、一般の湖魚扱い店でも難しいのではないかなと。季節的なこともあろうかとは思いますが、そういったことのPRも含めて、琵琶湖八珍という言葉を滋賀県の者なら誰でも知っているような取組を推進していただけたらなと。中には、もう一品付け加えてセタシジミもこの中に入れてはどうかというような発言をされた方もいらっしゃいました。そういったことも含めて、積極的に湖魚のPRに努めていただきたいと、このように思います。  それでは、このような事業を効果的に進めるには、中核を担う水産技術職員の資質が重要になると思いますが、どのような経験を積ませ、育成しようとされているのか、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  二宮農政水産部技監へ答弁を委任いたします。 ◎二宮 農政水産部技監  水産技術職員は、専門的な試験研究や水産振興の行政分野など、それぞれの分野において、儲かる漁業の実現に向け取り組んでいるところでございます。  本事業のような湖魚のPR、消費拡大の取組を進めるためには、漁師の暮らし、漁業の実態、水産資源と併せて水産物の加工、流通、消費についても理解しておく必要があり、現場で経験を積むことが重要であると考えております。  このような職員のキャリア形成を通じまして、広い視野で課題解決を図るとともに、その成果を水産業の現場へフィードバックできるような人材を切れ目なく育成できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆奥村芳正 委員  引き続き、切れ目なく取り組んでいただくことを期待しております。  最後に、本県の琵琶湖システムが世界農業遺産に認定され、観光誘客につなげていく必要があります。当事業で、世界農業遺産と絡めて、湖魚の魅力発信にどのようにつなげていくのか、農政水産部長に伺います。 ◎宇野 農政水産部長  世界農業遺産琵琶湖システムの主要な要素として、エリ漁に代表されます琵琶湖の伝統的な技法や湖魚の食文化などの独自性と普遍的な価値が高く評価されたものと認識をしております。  今回の認定を絶好のチャンスと捉えまして、漁業者や八珍マイスターの皆さんとともに、県もセールスマンとして世界に認められました琵琶湖漁業の魅力をさらに発信してまいりたいと考えております。  また、シガリズムのコンテンツとして、例えば琵琶湖システムを体感できるツアーや次世代を担う子供や若者の学びの場での漁業現場に触れる機会の創出などによりまして、琵琶湖漁業や湖魚の魅力を伝え、滋賀のファンの拡大につなげてまいりたいと考えております。 ◆奥村芳正 委員  ありがとうございます。  一層の取組の強化をお願いしたいと思います。  今、いくつかお尋ねをさせていただきました。宇野部長、まずは世界農業遺産認定、昨年の7月以降、認定おめでとうございます。それを一生懸命、旗振り役を務めていただいた部長には敬意を表すと同時に、全庁挙げてこの事業に取り組んでいただいた、その成果の表れではないかなと、引き続きよろしくお願いいたします。  また、今、水産改革担当の二宮技監におかれましても、私、農政水産部の常任委員会のときに、全層循環の問題であるとか、琵琶湖でなぜアユが捕れないのか、ばかげた話ですけれども、冬場にヒウオを捕り過ぎるから、琵琶湖のアユが少なくなったのではないかなと、こんな次元の外れた質問も投げかけるなど、的外れなことも言いましたけれども、その先頭に立ってセクションの旗振り役に徹していただいた技監には、改めて敬意と感謝を申し上げます。  その中で、世界農業遺産の認定に当たっては、青田管理監にも赤いユニフォームを、時には長靴や農作業の服に変えて、一緒になって洲原の水田で子供たちと一緒に田植えをした。そしてまた、溝切りの時期には魚を追いかけた。収穫も一緒になって取り組ませていただいたことなど、数多く思い出されます。全てが日本農業遺産、そしてまた世界農業遺産に続いたものであると、このように私自身も、皆さんの活躍を通じて学ばせていただいたところでございます。  本日まで、本当に献身的に滋賀の農業を、そしてまたここ滋賀の担当者として立ち振舞っていただいたことに改めて敬意と感謝を申し上げ、ねぎらいの言葉をお送りさせていただいて、ますますの御活躍をお祈り申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○細江正人 委員長  以上で、奥村芳正委員の質疑を終了します。  以上で、発言通告のありました質疑は終了しました。  この際、関連質疑はありませんか。   (「なし」) ○細江正人 委員長  関連質疑なしと認めます。  以上で、全体質疑を終了いたします。 2 分科会の設置について ○細江正人 委員長  次に、予算特別委員会設置要綱に基づき、5つの分科会を設置します。来る7日および8日は、お手元に配付の調査日程のとおり分科会を開催願います。  なお、各分科会における調査項目はお手元に配付の一覧表のとおりでありますので、その所管事項に関する部分について、それぞれ調査願います。  また、調査結果につきましては、来る14日午前10時から委員会を開会し、各分科会長から報告を求めます。  以上をもちまして、本日の予算特別委員会を閉会いたします。  お疲れさまでした。 閉会宣告  12時26分...